日本共産党横須賀市議団

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議会での発言
2012年9月3日

2012年第3回定例会・井坂新哉議員の一般質問

私は、お時間をいただきまして、1つに神奈川県知事が発足させた神奈川緊急財政対策本部調査会(通称:神奈川臨調)について、2つに芦名にある「かながわ環境整備センター」の今後について、3つに米海軍基地で起こった事故の公表について伺います。

まず、神奈川臨調について伺います。黒岩県知事は、平成24年1月24日に県知事を本部長とする緊急財政対策本部を設置しました。そして、対策本部が検討する抜本対策に対し、意見・助言を行うために調査会が設置され、3月29日に1回目の会合が開かれてからこれまでに3回の会議が開かれました。そして第3回目の7月18日の会議で、中間意見を発表しました。

その中では、「きわめて厳しい財政状況に対応し、法令や制度など行政の在り方そのものに踏み込んだ抜本的な見直しを行う」ことを掲げ、平成25年度当初予算に反映するために早期の着手が必要と考えられるテーマとして「県有施設」「補助金・負担金」「教育の在り方」「人件費の抑制」を優先的に検討するとなっています。

そもそも、県がいう厳しい財政状況とは、県が発表した中期財政見通しにおいて「平成26年度までに1650億円もの財源不足が予測されるが、仮に、臨時財政対策債を見込まないとした場合の財源不足は4000億円以上に拡大する」としています。

県がこれまで出してきた中期財政見通しでは、何度となく千数百億円の財源不足が生じると発表してきましたが、そのような状況には至りませんでした。

この見通し自体、歳入を低く見積もりすぎている点などが指摘されています。例えば、県税収入が減少することを予想していますが、その分地方交付税が上がるのが通常ですので、それを見込んで見通しを立てなければいけないものを全く考慮しないことなどが挙げられます。また、臨時財政対策債が入ってこないとの見込みは、現段階では考えられず、あまりにも不足額を過大に見せようとするものです。

このような財政見通しを基にして、県民・市民に必要以上に危機感をあおり、県民にとって必要な歳出を削減しようとする姿勢は改めるべきと考えます。

また、検討の進め方においても、事業そのものの具体的な執行状況も見ないまま、一律に削減しようとするやり方は間違っているといわざるを得ません。

このようなことを踏まえた上で、市長は7月18日に出された中間意見についてどのように受け止めておられるでしょうか、お聞かせください。

また、この間、県に対しどのようなアクションを取ってきたのでしょうか、お聞かせください。

今回の中間意見では県全体の問題が取り上げられたわけですが、その中で横須賀市に関係が深いと考えられるのが、「県有施設」「補助金・負担金」「教育の在り方」です。しかし「教育の在り方について」は今後設置される専門的組織で検討するとのことですので、今日、中心的に取り上げたいのは、県有施設と補助金・負担金についてです。

まず、県有施設については、「原則廃止」の視点による見直しの断行と述べ、県民利用施設では、「当初の設置目的が薄れている施設」「利用実績が低下している施設」「利用実態等から県による運営の必然性に欠ける施設」は廃止との提言がされています。

また、出先機関については、業務の見直しの視点から集約・統合が打ち出され、社会福祉施設については更なる民間活力の導入を図ること、県営住宅については、民間賃貸住宅を借り上げる方式や家賃補助方式への転換、売却や廃止を積極的に行うとなっています。

この方針に基づくと本市に大きな影響を及ぼすと考えられるのが、観音崎公園や塚山公園の管理運営、社会福祉施設の三浦しらとり園、そして、市内にある県営住宅がその対象となります。

そこでお伺いしたいのは、これらの施設の状況について県とどのような意見交換をしているのでしょうか、お聞かせください。

どの施設も市民生活にとって重要なものですが、中でも県営住宅については、日々の生活に直結する問題です。市として市民に影響が及ばないよう、県に求める必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

次に、補助金・負担金についてです。「補助金・負担金についてはすべての補助金を一時凍結した上で改めてその補助金の必要性や内容の妥当性等を抜本的に見直すこと、つまり「ゼロベースからの見直し」を行うこと」を提言しております。

そして、見直しの観点として、①長期にわたり運用されている補助金(昭和63年以前から続いている補助金)、②少額の補助金、③団体補助金のうち運営費の補助金は、原則廃止としています。

そして資料によりますと一時凍結される県の独自補助金は452事業、1,121 億円とのことです。

そこでまず、お聞きするのは、県が一時凍結するとした事業の内、横須賀市にはいくつの事業が関係し、2012年度予算ではその額はいくらになるのでしょうか、お聞かせください。

また、原則廃止とされた補助金の中には、重度障害者医療費補助もあり、総額で年間約3億円の補助金が県から来ています。これが廃止されたからといって、市としてその制度自体をやめてしまうというのは到底できないと思いますが、この事業が対象になっていることについて市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、このような福祉施策として重要なものは削減すべきではないと県に求めるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

これは、ある意味、県が財政負担を市に押し付けようとするものですが、市としてこのようなことは到底認めることはできないと思います。

提言の中では、「県が補助金を廃止する場合は市町村と足並みをそろえて事業そのものを廃止するといったことに取り組むべきである」とも提言されています。また、「市町村補助金の見直しに際しては市町村と十分な調整を図ること、市町村の創意工夫の促進と業務コストの低減を図るために、補助金の一括交付金化の検討にも着手すべきと考える。」となっております。

本当に上からの押し付けのような取り組みですが、事業の廃止で市民に影響が出れば、その矢面に立たされるのは市民に身近な本市です。また、一括交付金化として今後その額を少なくしていくようなやり方を取られては困ります。補助金全てを一括で論議するのではなく、一つ一つの事業をしっかりと検討することが必要であり、一律の検討の仕方はやめるべきと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

そして、県に対し、市町村に影響を及ぼすことのないように申し入れを行うことや少なくても、事前に市町村の意見を聞き、その意見を反映するように申し入れる必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

私は、黒岩知事の政治運営について、よく内容を検討しないままセンセーショナルに発表をし、話題をつくるというやり方については、改めるべきだと考えていますし、特に神奈川臨調のようなやり方は、すぐに撤回すべきと思っています。あと半年後には、来年度予算が決まるというのに、まだ、具体的な内容も出ていないこと自体大きな問題だと思いますので、市長には県内自治体とも連携を取って、厳しく県に対して意見を述べていただきたいと思います。

次にかながわ環境整備センターの今後についてお伺いいたします。

かながわ環境整備センターは、みなさんご存知の通り、昨年末、県知事の突然の震災がれきの受け入れ表明によって、大きな波紋を広げました。

この問題について私は、第1回定例会でも取り上げましたが、県が協定書を無視し、突然、受け入れ表明を行うなどのこれまでの県の対応は、住民の気持ちを逆なでするものでした。

その後、7月26日に県知事が、大楠連合町内会の会合で、前回の提案について地元をないがしろにしてきた経緯について謝罪し、新たな提案として漁網の受け入れをお願いしているところです。現在地元住民の中でこの対応について意見集約や話し合いが行われているとのことですので、これまでの経過からも地元の人たちの意見を第1に考えることが重要と思いますので、今後のみなさんの論議をしっかりと見守りたいと思います。

そういう立場から、市が県に対して求めておかなければならない問題について伺います。

さて、この処分場はご存じのとおり、建設計画が持ち上がった時から、大きな反対運動がおこり、建設についても町内を2分するような状況になりました。

当時、神奈川県は、今後県内の産廃を処理できなくなると説明し、早急に新しい処分場を造らなければならないこと、民間のモデルとなるような処分場が必要としてこの計画を推し進めました。

現在、当初の設置の意義はまったくないがしろにされ、埋め立て期間は10年となっていましたが、計画の20%しか入っておらず、当初計画の県内産廃処理の急迫性というのがいかにでたらめだったかが明らかになっています。

また、当時住民の中のあった大きな疑問の一つに、神奈川県内で産廃処分場を造るとしてもなぜ、芦名が選ばれたのかという点がありました。しかし、県は芦名地域を選択したことの検討経過などを全く説明しないまま結局推し進めてきています。

私は、震災がれきの受け入れに住民が強く反対した根底には、建設当時の県の説明が全く合理性がなく、住民の疑問に答えてこなかった点があり、今度の場合も同じようなことが繰り返されたことに対する不信感が募っていることにあると思います。そういう経緯を踏まえれば、住民が抱えている疑問に県はしっかりと答えなければなりません。

私は、県知事が新たな提案をする前に住民に答えなければならないものとして1つには、この処分場の建設当初に言われていた急迫性は全くなかったことについて知事がどのように受けて止めているのか、また、この処分場は本当に必要だったのかについて知事の見解を示すこと。2つには震災がれきの受け入れについて、なぜかながわ環境整備センターなのか、他の選択肢はなかったのかなどの検討経過を示すこと。これは建設当時に県内でなぜ芦名だったのかという疑問に答えなかった経緯からもしっかりと答える必要があると思います。3つには、協定書の重みを県知事がどのように受け止めているのかがあると思います。そして、4つにはこれらの見解を示した上で、今後この処分場をどのようにしていくのか、住民の意見を基にした方向性を示すことが大変重要になっていると思います。

このような基本的な論議を後回しにして、震災のごみの受け入れの是非だけを問うというのでは問題があると思いますが、仲介に立った市としてはこれらの問題をどのように受け止めておいででしょうか、お聞かせください。また、これらの内容についてしっかりと県が住民に示すよう求める必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

さて、かながわ環境整備センターの今後の在り方について考えるときに、県のこれまでの検討の進め方について改める必要があると思います。

といいますのも、県は震災前の昨年2月に専門家を入れて(仮称)循環型社会づくり計画検討会議を行っており、その一つとして「かながわ環境整備センター」の今後の方向性について事務局案を提示して検討しています。

その中では、アスベスト含有の産業廃棄物などを中心に長期間使用することや大規模災害時における県内の災害廃棄物の埋め立て処分場所としての計画へ移行しようとしています。

この計画案は、地元住民に全く示されないまま、県が独自に作成したものと思われます。本来協定書があり、それを改定しなければいけないことを考えれば、地元とまず今後の処分場の在り方の意見交換をするなどして、地元の意見を取り入れた計画としなければならないのではないでしょうか。

県のこのような動きについて市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。また、検討の進め方について見直すよう求める必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

私たちは、県知事が地元住民に示した漁網の受け入れについて、本当に受け入れてほしいと思うならば、このような根本問題をしっかりと解決した上で、多くの住民が、これならば受け入れる必要があると納得がいくような丁寧な情報提供が必要だと思います。今後地元に対して、県は説明会などを開くと思いますので、この情報提供の在り方についてもしっかりと申し入れをしていただきたいと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。

かながわ環境整備センターについては、これまでいろいろな経過があり、地元住民の複雑な思いがある中ですので、市としても地元住民の気持ちに沿った対応をすること、県にそのことを求めることが必要と思いますのでぜひしっかりとした対応をお願いいたします。

次に、米海軍基地で起こった事故の公表についてお伺いいたします。

8月28日の新聞各社の報道でも取り上げられ、テレビのニュースでも報道されましたが、米海軍基地で起こった油漏れ事故などについて米軍や外務省などから市に通報があったにもかかわらず、そのことを市が公表していなかった問題についてです。

この問題で市に申し入れを行い、記者会見も行った「住民投票を成功させる会」が調べた資料や私が基地対策課に請求した資料によりますと、油漏れ事故について最後に公表されたり、議会に報告があったのは平成18年1月のことでした。その後も油漏れ事故は今日まで7件ありました。

まず、市長にお伺いしますが、なぜ公表しなくなったのでしょうか、その理由をお聞かせください。また、議会に報告をしなくなったのはなぜでしょうか、その理由をお聞かせください。また、報告しなくなったのは前市長の時代ですが、吉田市長も同様の対応を3年間続けてきています。市長はこのように公表しないことを容認されていたのでしょうか、お聞かせください。

さて、資料によりますと事故があった際、基地に抗議や再発防止のための要請をする時としない時がありますが、その判断はどのような基準で行っているのでしょうか。お聞かせください。

また、平成18年の1月の文書要請を最後に、事故については文書での要請を行っていません。なぜ、文書で行わないのでしょうか。私は、口頭と文書と分ける必要性は全くなく、すべて文書で行えばよいと思いますが市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

資料を見ますと、平成18年を境に事故に対する対応が明らかに緩いものになっています。

例えば、平成18年1月17日の空母キティ・ホークから約1100ℓ~1900ℓの油漏れ事故に対し文書で要請していますが、平成18年には、2月28日にはフィッツジェラルドから約76ℓの油漏れ事故があり、9月14日には基地司令部所属のタグボートから約110ℓの油漏れ、さらに3日後の9月17日には空母キティ・ホークと思われる艦船から1514ℓの油漏れ事故を起こすなど、立て続けに事故を起こしています。それにもかかわらず、口頭要請のみで公表もしていません。

平成18年というのは、4月に米軍からファクトシートが提出され、原子力空母の安全性について重要な論議がされていた時期でもあります。

このような事実と照らし合わせると事故を知らせたくなかった、事故隠しと疑われてもしょうがないのではないでしょうか。市長はそのつもりはなかったとしても結果的にそうなってしまうのではないでしょうか。

この平成18年は市長も市議会議員として活動していた時期ですので、その時の思いなども含めどのように捉えていらっしゃるか、お聞かせください。

また、資料の中でもう一つどうしても指摘しておかなければならないのは、平成22年11月3日に原子力空母ジョージ・ワシントンから油を含む液体、約95ℓが漏れた事故です。

この事故は、油だけでなく液体も一緒に漏れています。そのことを心配してか、外務省の地位協定室がわざわざ連絡をよこし、「推進機関に影響はなく、漏れた液体に放射能等一切含んでいないことを確認している」との内容を伝えています。それにもかかわらず、事故に対しては、米軍に要請すらしていません。

まず、この事故で、漏れだした液体は何だったのでしょうか、漏れた液体の量はどれくらいだったのでしょうか、また、どの部分から漏れたのでしょうか、そしてどういう経過、原因で漏れたのでしょうか、ご存知でしたらお示しください。

外務省が連絡してきた内容から推測すると、推進機関に影響はなかったと述べていますので、推進機関から漏れたが、影響はなかったということではないかと推測されます。

結局原因もわからないまま、市として何もアクションを起こさないというのは安全を軽視しているとしか言いようがありません。

市長はこの事故について要請もしなかったし、公表もしなかったことについてどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

こういう小さい事故の積み重ねが大きい事故を呼び起こすことは、いろいろな経験の中で話されている内容です。ですから、小さい事故であっても市として厳しく対応することが私は必要だと思います。

私は、小さな事故でも米軍にしっかりと要請するとともに事故の内容をすべて公表する必要があると思いますが、市長はどのようにお考えでしょうか、お聞かせください。

これまでの対応について反省するとともに事故についてはすべて公表するよう改善を求めて私の第1問を終わります。


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