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池上コミセン・猿島トイレ新設・水道料金に関する反対討論(2022・9・14)

反対討論

 

日本共産党の井坂直です。会派を代表して24議案中4議案に対して反対の立場から討論を行います。

はじめに、議案第88号池上コミュニティセンターの指定管理者の指定についてです。この議案は、池上市民プラザと呼ばれるひとつの建物のなかに、コミュニティセンターと併設されていた老人福祉センターと青少年の家が廃止されたことを受け、今後はプラザ全体を新たなコミュニティセンターとするべく、同一の指定管理者に管理させようとするものです。

当面は従来どおりの利用とするとのことですが、近い将来、どのようになっていくのでしょうか。というのも、集会室などを利用する際、かたや、従来のコミュニティセンターの部分は有料であり、かたや、かつての老人福祉センターと青少年の家の部分は無料であり、と、混在しており、今後、管理の一体化が進む中で、有料化に一本化されてしまわないでしょうか。

新たな池上コミュニティセンターは、多様な世代が集え、地域コミュニティの活性化に寄与できるものにしたい、とのことですが、その大前提として、お金のあるなしに関係なく、気軽に、だれもが利用できるものでなければならないと考えます。

今後、本当にそのような施設として機能していけるよう求めながら、反対といたします。

次に議案第94号猿島公園トイレ新築工事請負契約の変更契約締結についてです。この議案は作業工程の見直しにより、工事に関わる台船の運搬回数が減ったことによる請負代金額の変更をするものです。これまでも指摘してきましたが、そもそも、長引くコロナ禍のもとで、市民の生活は厳しさを一層増しており、多額な税金を投じる猿島トイレ新築工事を現時点で、優先することが市民ニーズに即した公共工事とは言えないことから、反対といたします。

次に議案第86号横須賀市水道事業給水条例中改正と、議案第87号横須賀市下水道条例中改正についてです。

人口減少とそれに伴う水需要の減少、老朽化が進む上下水道施設、深刻な気候変動による自然災害等への対応など課題は山積しており、厳しい経営環境のなかで、日々安定した上下水道機能を維持している職員の皆さんには敬意を表します。

本市の水道料金は有収水量が最も多かった1994年以来、28年間値上げをせず、現行維持してきた経営努力は評価されるところです。

しかしながら、今回、大口使用者に節水を促すために導入した、使用水量が多くなればなるほど単価が高くなる逓増型料金体系を見直して、単価を低く設定している一般家庭の従量料金単価を引き上げ、大手企業など大口使用者の従量料金単価を引き下げる配分としたことには、納得ができません。うがい手洗い洗濯や調理など日常生活で使う水、つまり生きるための水と、企業の事業活動等に使用する業務用の水とは負担能力が異なり、同列にすべきではないはずです。

今回の料金改定では、従量料金の最も高いところの単価を引き下げ、多く水を使うと現状料金より安くなる一方で、一カ月11㎥から25㎥使用する一般家庭の水道料金は、現在よりも値上げとなります。

省エネ・低コスト・節電と同様に、節水意識は限りある水資源を大切にする方針からも、大口使用者にこそ求められます。沢山の水をふんだんに使えばその分料金が高くなるなら経費削減のもと、節水に努めるのが通常ですが、同じ水量を使ってもこれまでより安くなれば、節水意識が高まるとは思えません。市全体の有収水量が減ったことが節水の効果とは言い切れないはずです。

何より強調すべき問題点は、賃金が上がらず物価高と年金削減のうえ、コロナ禍でうがい手洗いを余儀なくされている一般家庭に対する配慮が不十分であることです。

また、今回の改定では、用途別料金体系の工事用料金の廃止が打ち出されましたが、用途別使用水量としての区分について明確な方向性が定まっておらず、今後の統計処理上課題が残ることが質疑で明らかになりました。さまざまな課題解決のために改定するはずが、結果的に新たな課題を発生させてしまったことになり、拙速に過ぎると言わざるをえません。この点は厳しく指摘いたします。

10月にはさまざまな日用品の値上げも予定されており、水道料金と下水道使用料を値上げすることは、これまでのコロナ禍における生活支援策とも矛盾します。

今回の値上げが、水道法第一条の目的である感染症予防につながる公衆衛生の向上のためのうがい、手洗いの励行の妨げになることを危惧することからも、両議案を認めることはできません。

本市の上下水道局は高い技術力と知見を持ち、全国から注目されています。一般的に料金改定する際には、収入を上げるための見直しを行いますが、今回あえて水道料金全体の収入を変わらない内容にしたことは、一考に値するものです。今回の改定も業界の関係者からは注目されるのではないかと思われます。

しかしながら、苦労してつくった改定案であることは伝わってはきますが、今は暮らしを守る姿勢をさらに、もっと示していただきたかったことを最後に訴えまして、日本共産党市議団の討論とします。