日本共産党横須賀市議団

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よこすかから平和を発信 原子力空母NO!
トピックス 議会での発言
2022年2月28日

2022年3月定例議会が始まっています①2月25日の代表質問

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2月24日はロシアのウクライナ侵略が始まった日でした。

登壇した大村洋子議員は開口一番、

「代表質問の前に発言したいことがあります。

昨日、ロシア軍によるウクライナのキエフに対する空爆がありました。このような蛮行、侵略に対し、強く抗議します」

と表明しました。

以下、代表質問です。

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 日本共産党の大村洋子です。

コロナパンデミックへの対応も3年目に入りました。現在、第6波となり、オミクロン株が蔓延しています。病院、自宅等で療養中のみなさんにはお見舞い申し上げます。医療従事者、介護、保育等のケアワーカーのみなさん、食料品、日用品の販売、配送等の労働を担うみなさん、社会の中で貢献してくださっているみなさん、すべての方々に感謝をお伝えいたします。

 日本共産党を代表して2022年度予算と施政方針並びに提出議案に対し、市長、教育長に伺います。

 私たちは所信表明への質疑で申し上げた通り今回の予算編成に対しても是は是、非は非としてしっかりチェックをしてまいります。

 2月の広報よこすかにメジャーリーガーの秋山翔吾選手が横須賀盛り上げ大使に就任された記事が載っていました。秋山選手は就任式で、「僕自身野球をしっかりやって、秋山の育った場所はこういうところなんだと、皆さんに知ってもらえるような活躍ができるように、これから頑張っていきたい」とおっしゃっていたそうです。「秋山選手が育った場所=横須賀」と考えた際に私が思い出したのは総合教会議でテーマとなった「教育大綱」の柱「あなたが好き、私が好き、横須賀が好き」という言葉でした。世界で活躍するような今の子どもたちが、横須賀に戻ってきた時にここが私の故郷、このまちが好きと思ってもらえるような横須賀をどうつくっていくか、私たちの仕事は煎じ詰めればこのようなことではないかと思いました。

 私たちが子どもたちに手渡す横須賀は、平和で安心して暮らし続けることができる横須賀であるべきです。また、横須賀のアイデンティティと言った場合「子どもたちに胸を張れる横須賀」は大前提だと思います。横須賀の史実に立てば、大軍港都市から平和産業港湾都市への転換という大道への不断の努力が浮かび上がってまいります。先達から受け継いだこの大道をひと時も忘れてはならないのです。その思いを胸に以下、具体的に伺ってまいります。

 まず、①予算編成の前提である財政について伺います。令和3年度補正予算については自主財源である税収の落ち込み幅が小さかったのは幸いでしたが、想定と乖離が生じたことが気になりました。令和4年度の予算についても、同様のことがないように審査したいと思います。予算編成における当初の想定について開陳していただき、市長のご所見を伺います。

 同じく財政の観点から上下水道局への繰り出しの考え方について伺います。2年余の審議会の議論を経て、上下水道マスタープラン2033が提言されます。今後は料金体系の見直しも予定され基本水量の廃止、水道料金、下水道使用料等市民にとって関心の高いところの議論も行われていく運びだと思います。そこで、詳細については委員会で伺うことにしたいと思いますが、ここでは改めて市長のお考えを確認しておきたいと思います。上下水道事業は公営企業として独立採算が基本であるのは承知しているところですが、私たちは一般会計からの下水道事業への繰り出しについて、削減の方向を強めることに反対の立場です。いままでも②上下水道局とは連携しながら財政上の調整をおこなってきていると思いますが、改めて市長の下水道事業会計についての基本的なお考えをお示しください。

 次に市民のお困りごとを受け止め解決向けて手助けする体制の強化について伺います。新年度から現状4か所に衣笠と北下浦を加え6か所の行政センターで地域相談窓口を展開するとのことです。これにより、市民のあらゆる悩み事を受け止め解決の手助けをする体制が強化されることを期待します。また、今回新たに保健師の地区担当制導入が提案されていますが、③地区担当制にはどのような利点があるとお考えでしょうか。市長に伺います。

今までは乳児、妊産婦、高齢者等年齢別や健診、保健指導、栄養指導など部門別があり、職域にも分離の感がありましたが、今後は地域担当制にすることで保健師ご自身の力量が問われることもあると推察します。④本市保健師の水準を上げていくために研修や学習を担保することも必要と考えますが、市長のご所見をお聞かせください。

 前述の行政センター相談窓口職員と保健師、さらには学校におけるあらゆる相談事を福祉部門にコーディネートするスクールソーシャルワーカーの拡充も提案されていることから、⑤今後は、これらの方々が連携し情報共有して対応することで、個々人の悩み事という「点」はもちろんのこと、家庭や地域の課題という「面」についても「立体的」に捉えることにより、効果的な支援が可能になると思います。本市における「市民のお困りごとを受け止める体制」のビジョンについて市長の考えをお聞かせください。また、必要な情報共有やカンファレンスをどのように行っていくのかお示しください。

 市民からのお困りごとはこれら、医療、福祉、教育に限ったことではなく、例えば道路補修や繁茂した草木の伐採、側溝の清掃、ごみ問題や騒音問題等ありとあらゆる対応がますます求められると思います。できるのか、できないのか、できるならいつまでにどのようにできるのか、できないならなぜできないのかしっかり伝える対応が望まれています。⑥単に「伝える」ではなく「伝わる対応」が大事だと思います。上地市政においては理解され納得される対応を目指してほしい、そのような体制構築に足を踏み出してほしいと思います。市長のご所見を伺います。

 気候危機に関連して伺います。

 「地球を守れ 横須賀ゼロカーボン推進条例」の前文のなかでも「脱炭素社会に向けた施策を実効性のあるものとし、市民、事業者、市民団体、行政等のあらゆる主体の責務に基づく役割を明確にし」とあるようにまさに今後は具体的な施策をスピード感をもって取り組んでいくということが大切です。そこで伺いますが、本市にはさまざまな事業者が存在すると思いますが、この事業者という範疇に次の存在は入るのでしょうか。

 ⑦市役所、米海軍横須賀基地、自衛隊施設、市立学校、日産自動車株式会社、石炭火力発電所建設現場、国土交通省国土技術政策総合研究所横須賀庁舎。

 これらは事業者という範疇に入るのでしょうか。

 また、市域内のこれらの存在から出されるCO2排出量は横須賀市として算入されるのでしょうか。2問を併せて伺います。

 また、⑧現在建設中のJERAの石炭火力発電所が稼働された場合、「エネルギー転換部門」の取扱いとしてCO2排出量を算入せず、削減目標にも入れないとのことです。市民にはCO2削減の努力を呼びかけておきながら、市域内で莫大なCO2を排出する存在を排出量算定の対象から外すというのはあまりにご都合主義であり市民に対して不誠実ではないでしょうか。市長の見解を求めます。

 「ゼロカーボン推進条例」の前文でも、市長の施政方針でも気候変動の影響を「重大な脅威」、「危機的状況」と表明され、今や気候問題は喫緊の課題であることは共通認識です。しかし、2021年10月22日に閣議決定された岸田内閣の第6次エネルギー基本計画では昨年菅前首相が出された2030年度の排出量を2013年度比で46%削減する内容を踏襲するもので、これでは到底世界標準とは言えないものです。原発についても「必要な規模を持続的に活用」と謳い、福島原発であれほどの事故があったにもかかわらず、またもじわじわと再稼働を広げています。⑨本市のゼロカーボンの取組は政府の示すエネルギー基本計画を手本としているのでしょうか。

 昨年秋に英国グラスゴーで行われた気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)では産業革命以前からの平均気温の上昇を1.5℃に抑制することを目指すべき目標として確認されました。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書第1作業部会報告書は平均気温の上昇が2℃と1.5℃では全く違ってくることを警告しています。熱帯域のサンゴ礁は1.5℃の平均気温の上昇でも70∼80%が死滅し、2℃では99%が死滅すると予測しています。サンゴ礁の面積は地球表面のわずか0.1%にすぎませんが、確認されている生物種は9万種を超え、海のいきものの4分の1から3分の1がサンゴ礁に生息しているとのことです。さらに、世界人口の2割、80以上の国が収入と食料をサンゴ礁に依存していると言いますから、サンゴ礁はまさに生活の糧そのものです。物事がある一定の閾値を超えると一気に全体に広まっていく時点のことを「ティッピング・ポイント」と言い、「転換点」あるいは「臨界点」とも言われ、気候変動問題では後戻りできない状況、不可逆的になることを意味します。

すなわち、人類はティッピング・ポイントになる前に手を打たなければ、滅亡となるということです。CO2の累積排出量が増加するとそれに比例して平均気温が上昇することが明らかになっています。1.5℃に抑えることができる残された二酸化炭素の排出量を「カーボンバジェット」と言いますが、これが4千億tと言われています。現在のCO2排出量は年間約350億tなので、残された排出枠は12年ほどで使い切ってしまうことになるのです。るる述べましたが、このように、気候問題はゆっくりと取り組んでいる時間はありません。日本は資源に乏しいからいろいろなエネルギーをミックスして選択肢を持っておくべきだとか、将来のイノベーションをもっと信頼してほしいなどと言っている場合ではないのです。⑩2050年のゼロカーボンは大事ですが、その前にいまある技術で実現可能な2030年までにどれだけ削減できるかが喫緊の課題だと思います。本市はゼロカーボンシティ宣言をし、条例をつくり、具体的に施策を展開していくという局面に入っています。ここで、さらに2030年のビジョンを明確に示し実現させていくことが必要だと思いますが、市長のご所見を伺います。

 本市には日産自動車のEV工場があり、環境に配慮した電気自動車の普及を牽引してくださったことは承知しているところです。そして、今、時代の趨勢で真剣に環境問題を取り組んでいく機運が広がり、本市としても「ゼロカーボン推進条例」が施行され、条例第13条には「移動手段の選択等による温室効果ガスの排出量の削減」(4)「自動車等を使用する者が環境に配慮した運転を行うことを促進するための施策と謳われ」、実施されていこうとしています。この条例実施を機に⑪今後はEVを購入した市民が、どの企業のEVであろうと助成が受けられるようにするべきではないでしょうか、市長のご所見を伺います。

 スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの映画が横須賀市、三浦市の教育委員会も後援する中4月10日(日)ヨコスカ・ベイサイド・ポケットで3回上映されます。グレタさんは15歳の時にたった1人で「学校ストライキ」を行って、気候問題を訴えました。彼女はCOP24で参加している大人たちに向かって「2078年、私は75歳の誕生日を迎えます。もし子どもがいれば、その日、彼らは皆さんのことを私に尋ねるでしょう。手を尽くす時間が残っているうちに、なぜ何もしなかったのかと。子どもを何より愛していると言いつつ、皆さんは子どもの未来を奪っています。政治的にどうかではなく、やならければならないことに注力しなければ希望はありません。危機意識がなければ危機は解決できません。化石燃料を地中にとどめ、公平性に焦点を当てる必要があります。現在の仕組みの中で解決法が見つからないのなら、仕組み自体を変えるべきかもしれません。」このように訴えました。グレタさんは世界中の若者に支持され、彼女の一挙手一投足が注目されてきました。⑫グローバル気候マーチが世界中で行われクライメイト・ジャスティス(気候正義)のムーブメントにより、今や誰もが気候問題を考えるようになりました。若者の命の叫びともいえるこのような世界の状況があります。私は本市においてもこのような流れがさらに大きくなってほしいと考えますが、気候問題に対するこのような状況を市長はどのように捉えていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。

 次にジェンダー平等社会実現に向けて伺います。

ご存じの通り、ジェンダーとは、生物学的性別ではなく、社会的制度的文化的に作られてきた性差をさす概念的な言葉です。身体的特徴にもグラデーションがあることや性自認と身体的特徴は必ずしも一致しないことも解明されてきました。ジェンダー平等社会とは、多様なそれぞれの人がその人らしく生きていくことが大事にされる社会です。横須賀でもジェンダー平等を促進、実現していきたいとの思いから以下質問いたします。

 ⑬ジェンダー平等の視点であらゆる市の計画・施策を捉え直してきていると思います。2月14日の人権・ダイバーシティ推進課設置を巡る藤野議員とのやり取りの中で市長は「フィルターをかける」という表現をされていた部分です。この内容について現時点での前進面をご紹介ください。また、課題であるとのご認識についても併せて伺います。

 性暴力を許さない社会にしていくことは、ジェンダー平等社会の実現のための緊急課題の一つと思います。2020年度に内閣府が行った「男女間の暴力に関する調査」によれば、「無理やり性交等をされたことがある」女性は7%ほどで、年間6~7万人の被害が推計されるとのことです。性暴力は心身に長期にわたる深刻なダメージを与え、異性に対する恐怖心など日常生活、人生そのものに支障をきたし、早期の支援が重要です。しかし残念ながら、日本で性暴力やレイプが認められるには、著しい暴行や脅迫があったことを被害者自身が証明する必要があります。強制性交という人を深く傷つける行為が、暴行や脅迫があったときにしか罪として認められない、という遅れがあるのです。世界では、不同意での性交を罪とすることが基準となりつつあるというのに日本は遅れています。勇気ある女性が自ら声を上げ性暴力を受けたとして裁判に訴え、この1月の東京高裁判決では1審に続き、不同意の性交との認定がされました。この間、#MeToo運動、すなわち性暴力被害の当事者が直接訴えるフラワーデモが広がり、これまで個人的人間関係だとして片付けられてきたことが社会問題として取り組むべきものとの認識に変わって来ました。横須賀市議会でも協議会が立ち上がり、犯罪被害者等基本条例が結実しました。来年度予算には、「被害者等への支援策」が予算化され新規事業として提案されます。そこで伺います。

 ⑭本市では現在、同意のない性行為は深く相手を傷つける人権侵害であるということをどこかにあるいは何かにうたっているでしょうか。まだであれば、本市の立場を明確にし、周知・啓発活動を活発に行うことが必要と思うが、市長のお考えをお示しください。

 教育現場の現状はいかがでしょうか。⑮個人の尊厳を侵す行為はしてはならないことを主眼とした性教育は行われているのでしょうか。小さいうちから、それぞれの年代にふさわしい内容で進めていくことが必要と思います。教育長のご認識を伺います。

 次にかがみ田苑の労働基準監督署臨検と指定管理者制度に関連して伺います。

 前回に引き続きかがみ田苑の現場職員から違う案件で再び公益通報がありました。今度は生活介護職員が昼休みを取得できていないという実態について責任者に改善を訴えたが、責任者は対応する様子もないため労働基準監督署に申告し、かがみ田苑と社会福祉事業団本部に臨検が行われたということです。そして労働基準法第34条違反が確定し文書で是正勧告が出されたとのことです。

 かがみ田苑は1,500万円を超える返還金が生じるという失態をおかし改善命令を受けていて、現在も市の指導監査中です。にもかかわらず、今度は労働基準監督署からの是正勧告とは、いったいどういうことでしょう。事実経過等⑯市への報告はされているのでしょうか。市はどのように把握しているのでしょうか、また、市長はこの件に対してどのような見解をお持ちでしょうか、併せて伺います。

 再三、なぜ、このような問題が露呈するのでしょうか。少ない人数しかいない中で、休憩すら取れないシフトが常態化しているのでしょうか。指定管理料を引き上げる必要があるのでしょうか。あるいは指定管理者選考基準を変える必要があるのでしょうか。私にはかがみ田苑が氷山の一角なのではないかと疑念すら生まれます。つまり、指定管理者にはまだまだ多かれ少なかれ、労基法に抵触する実態で働かされている方がいるのではないかということです。⑰ある職場では始業時間前に打ち合わせと称して、それが残業という形に累積され続けている、悪しき習慣がはびこっているといいます。この際、他の指定管理者についても労基法違反が横行していないか確認する必要があると思います。その際、責任者に確認しても実態は浮き彫りにならないでしょう。現場で働いている方から直接生の声を伺うべきと思います。ぜひ、確認していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。市長の答弁を求めます。

 ⑱このようなことが繰り返されるといよいよ公契約条例を制定し、市としてしっかりとした縛りをかけていくことも考えなくてはいけません。制定の方向を見定めて本格的に調査・研究に入る時期だと感じますが、市長のお考えをお聞かせください。

 働き方ということで、今度は市の職員の労働問題について伺います。大規模な組織改編も伴い内部管理経費の削減の名の下に人員削減が提案されています。私は代表質問の度にこの数年、本市の職員の働き方について質問してきました。1年間を通じて1ヶ月で最も多く残業をした職員の残業時間数は何時間だったのかという質問です。これが2017年には177時間、2019年には221時間、昨年の2021年には226時間、そして直近で資料照会した回答では262時間でした。

上地市長になり200時間を超え、さらに増え続けています。ご承知の通り残業の過労死ラインは80時間と言われていますから、本市の職員にはその3倍以上残業した職員がいたということです。市長は職員の働き方について以前に「意識改革」とおっしゃっていましたが、意識改革してどうこうなるような段階ではないと思います。⑲生身の人間がこのような残業をしていること自体許されず大問題です。市長のご認識を伺います。そしてなぜ、このようなことが起こるのか、改善するためにはどのような対策を打つおつもりなのか併せて伺います。

 自治体現場は全国的に正規職員を減らし非正規職員の割合を増やしてきました。ある自治体では短期間で変わってしまう非正規職員に仕事を教えるために時間を弄することがムダだということになり、結局正規職員が仕事を抱え込んで残業せざるを得ない状況になっているといいます。

⑳コロナ感染症への対応、再興プランのさまざまな施策展開、それらを確実に丁寧に行おうとすれば、仕事量に見合う人員配置が必要だと思います。一方で内部管理経費の削減の名の下にターゲットとしての人減らしは結局職員にしわ寄せがいき、ひいては職員の心身に悪影響がでることにつながっていきます。「ワークライフバランス」と言われながら、これでは家族との団らんや自己実現もままなりません。「適正化」という美辞麗句で人員削減がエスカレートしてきました。これ以上の職員削減は止めるべきです。市長の見解を求めます。

 教育に関連して伺います。

 コロナ禍の中でGIGAスクール構想が急ピッチで進められています。良い面ばかりが強調される傾向があるようですが、今後は詳細な部分にまで丁寧な対応が必要と注視しているところです。以前にも伺いました電磁波対策について伺います。識者の中にはGIGAスクール構想によって電磁放射線被ばく量が格段に増えるので、自覚する、しないに関わらず、「電磁波過敏症」になる児童・生徒が増えるのではないかと心配の声もあります。21以前伺った際に教室内のアクセスポイントは児童・生徒から20cm以上離れている高所に1か所のみとの答弁がありました。その基準で本当に身体的ケアが可能なのでしょうか。再度確認いたします。教育長がおっしゃった前述の条件はすべての教室で現在クリアーされているのでしょうか。また、端末を使わない時にはアクセスポイントをOFFに出来るように設定することを進めていただくことは可能でしょうか。併せて伺います。

 私たちはGIGAスクール構想は国が進めていることであり、少なくとも義務教育では、関わる全ての財政支出は国庫支出金が充てられて当然だと考えています。現在も端末の購入費用が保護者負担ではないことは承知していますが、22自宅に持ち帰り可能となった際の各家庭における通信費をどうするか、生活保護世帯や就学援助対象世帯、それ以外の非課税世帯等の財政負担をどう考えるか、そして、そもそも各家庭における我が子の教育方針という点で保護者と学校との意思一致、整合性を持たせる必要等課題は山積みしています。これらの点についてどのような方針をお持ちでしょうか、教育長に伺います。

 次に本市のヤングケアラーの児童生徒の教育の保障について伺います。環境チェックによる洗い出しでは昨年5月、6月の時点で小学校では23人、中学校では25人がいわゆるヤングケアラーとなっているとのことです。ケアしている対象がまちまちであり、ケアラーとなっているその子自身が「お手伝い」と思っているのか「介護」と思っているのか、その受け止めや「負担感」にもばらつきがあると思われますので、一概に言えないのですが、少なくとも、48人の児童生徒の教育を受ける権利は保障しなければならないと思います。23本市のヤングケアラーを支えるための体制構築はどのようになっていますでしょうか、伺います。

 次に修学旅行費に関連して伺います。

 コロナ感染拡大の影響でせっかく計画した思い出作りとなるはずの修学旅行が変更せざるを得ないという状況になっています。今年度小学生においては全ての学校で修学旅行が出来ましたが、中学生では修学旅行が出来たのは23校中3校のみだったとのことです。現役保護者や先輩親のみなさんから様々なご心配が私たちのところに寄せられました。そこで、教育委員会から事前に伺った内容ですと、24修学旅行費は、説明会の際に全額収めていただく一括徴収の方式と2年余のスパンで積み立てていく方式とがあるということです。それぞれに一長一短があるとは思いますが、コロナ禍で暮らしが厳しいという世帯も増えている中で、出来るだけ負担のない徴収方法が望まれていると思います。今のままでは「負担が大きい」という声も聴いています。また、生活保護世帯や就学援助対象世帯については、一度納めていただき、返納されるしくみとのことです。一度は負担をしなければなりません。ここは改善する必要があるのではないでしょうか。この「一度納めなければならない」という保護者の負担から修学旅行不参加の児童生徒もいるのではないかと非常に心配です。教育長の見解をお聞かせください。

 次に多種多様な課題を冷静に受け止め人権を大切にできる教育行政について

伺います。

 前項でも述べた通り、コロナ禍の中で教育現場も一変し、とりわけGIGAスクール構想は「寺子屋」が教育のはじまりだとすれば、その時代の教育者からすればまさに隔世の感だと思います。そのような激動の教育行政にあって、トップとして教育委員会事務局とさまざまなお立場の方が集まる合議体である教育委員会との双方に身を置き束ねる立ち位置にいながら、市長部局との連携にも心を砕いておられる新倉聡教育長のご苦労は想像に難くありません。その上で確認させていただきたいことがあります。過日、私たち日本共産党市議団が要請書提出のため教育長室をお訪ねした際に、教育長はいきなり激しく大声を出される場面がありました。後日要請書をお持ちした際、今後感情的な対応をしないよう私たちは求めました。しかし、過日の対応を是正することには言及されませんでした。率直に申し上げて複雑多様化する教育行政を束ね牽引していくお立場の教育長は僭越ながら受け止める力こそ必要ではないでしょうか。残念ながら私たちが伺った際の教育長はとうてい建設的な解決の姿勢からは程遠いと言わざるを得ませんでした。

2017年教育長の選任方法が首長の任命制に変更されました。教育長の選任は議案として上程され1度目、そして昨年夏の2度目も私たちは賛成しています。賛成した立場から、私たちはぜひ、確認させていただきたいと思います。

25多種多様な教育行政の課題を冷静に受け止め取り組んでいただくこと、とりわけ人権を大切に考える姿勢を貫くよう約束していただけますでしょうか。教育長に伺います。

 次に米軍基地に関連して伺います。

 沖縄では、基地内から泡消火剤に含有されているPFOS・PFOAが河川に流され、住民の生活に影響が出たと言われていますが、26本市は米海軍基地内のPFOS・PFOAの有無や管理体制について把握していますでしょうか。もし把握していないのであれば、報告を求めることが必要と思います。今年は出初式ではなく、「消防パレード」が行われ、米海軍基地内の消防自動車も参加していました。災害時の協力体制もあると思われますので、ぜひ我が国では消防活動で使用が出来ないPFOS・PFOAについて確認していただきたいと思いますが市長の答弁を求めます。

 また、27基地内のごみ焼却施設の排ガス基準はどうなっているのでしょうか。本市のエコミルでは国の基準より厳しい自主基準値を設けていますが、この基準との整合性はどうなのでしょうか、伺います。

 昨年末、沖縄県米軍基地キャンプハンセンにおける新型コロナウイルスのクラスター発生にはじまり広島県山口県においても米軍基地由来の感染拡大との報道がありました。私たちは次は神奈川県ではないかと強い不安から、12月22日に市に米海軍に対して対策強化を求める要請書を提出しました。基地内で働く日本人従業員の友人は「基地で感染者増えていて凄く怖い」「中で働いている日本人は毎日ビクビクしている」とのことでした。そのような中市長は1月11日リモートで在日米海軍司令官カール・ラティ少将、米海軍横須賀基地司令官リッチ・ジャレット大佐と意見交換を行っています。ラティ少将は「入国による移動制限期間は日本同様14日間。出発前、到着後、移動制限期間解除検査の3回の検査が基本。」と発言しています。しかし、この間の衆議院予算委員会でのやり取りでは在日米軍司令部は昨年の9月から出国前検査の免除を日本側に伝えていたと言います。それまで、米軍の感染対策緩和措置を12月に把握したと説明してきた日本政府の説明との食い違いが明らかになりました。林外務大臣も「両者の認識に齟齬があった」と認めています。どの時点で政府が知ったのかという点も気になりますが、いずれにしても28在日米軍は9月以降出国前検査を免除していたとのことですから、市長と意見交換した際のラティ少将が出国前検査に言及している点については整合しないのではないでしょうか、市長は「米軍は日本より厳しい検査をしている」と繰り返し述べておられましたし、市民にもそのように発してきたと思います。どのように理解すればよいのでしょうか。ご説明をお願いいたします。

 また、市長は米海軍との意見交換の中で29「これまで基地内の感染が、基地の外に広がらなかったことに感謝する」とおっしゃっていますが、そのようにお考えになった根拠は何でしょうか。伺います。

 日本の民間空港から入国する米軍関係者は日本の国内法によって検疫を受けていますが、日米地位協定の対象になっていることから直接基地に入る米軍関係者もいると思われます。政府答弁でも明らかになったように出国時の検疫、入国時の検疫について現状はあいまいな形になっています。在日米軍の考えによって検疫を行ったり、免除したりというのでは、検疫の意味をなさないのではないでしょうか。

30基地を抱える首長として、日本政府に在日米軍に対して検疫法など日本の国内法を適用するよう求めるべきではないでしょうか。市長の見解を求めます。

 市長と質疑を交わす中で、市長と私たちは日米軍事同盟や安保や日米地位協定についての考え方が一致していないと感じてきました。認識や見解の相違はあきらかです。政治的スタンスは個々人、各会派、各政党それぞれであり、違ってよいわけですし、それを自由闊達に議論するのが議会であると思います。

 外交・防衛問題は国の専権事項であり、地方自治の施策の議論にはなじまない、そういうお考えの首長もいらっしゃいます。しかし、上地市長はそうではなく、きっぱりと本市に米海軍基地、自衛隊施設、防衛大学校があることを誇りに思うと言いきり、毎回の施政方針にも「基地について」という項目を設けて言及されてきました。私たちは認識や見解の相違こそあれ、これからも外交・防衛問題を含め市長と議論を交わしていきたいと考えています。そのような思いをお伝えしながら、以下、現政権が打ち出している本市に関係する内容について、首長としてどのようなお考えをお持ちか伺います。

 政府は今年に入り外交・軍事担当相による安全保障協議委員会2プラス2を行い、「台湾海峡の平和と安定」を口実に「国家の防衛のためのあらゆる選択肢を検討」と敵基地攻撃に言及し軍拡を米国に約束しています。昨年には自衛隊3,500人、米軍1,500人が参加した日米共同統合指揮所演習「ヤマサクラ81」や海兵隊2,650人、陸上自衛隊1,400人が参加した実動演習「レゾリュート・ドラゴン21」を行い海外で戦争する準備が着々と進められています。「敵基地攻撃」とはやられる前に攻撃するというもので、安倍元首相は「殲滅」という言葉すら用いて推進姿勢を露わにしています。31このような戦闘状態になれば、第7艦隊所属の米海軍基地がある本市はターゲットにされるおそれがあると思いますが、市長はいかがお考えでしょうか、伺います。

32いわゆる「土地規制法」について私たちはこれまで3度市長と質疑を交わしてまいりましたが、基地のまち横須賀に実際にどのような影響が出るのか未だに明らかではありません。施政方針でも言及がありませんでした。9月から施行と言われていますが、最新の情報についてご説明をお願いいたします。

33市長は施政方針の「民官連携」というくだりで「民間企業から見て、参入の障壁となるような、横須賀市独自の規制がないかどうかといったことに注意しながら進んでいきたい」とおっしゃいましたが、「土地規制法」がまさにこれに当てはまるのではないでしょうか、伺います。

 深田台の「中央公園」がリニューアルされ「平和中央公園」になり、1代目の平和モニュメントである「ヘイワオオキクナーレ」が解体されて1年半ほど経ちます。昨年暮れ私は作者の最上壽之氏の妻である最上昌子さんと電話でお話する機会がありました。昌子さんは「核兵器廃絶 平和都市」と刻まれたモニュメントが解体されたことをいまも嘆いておられました。本市は「核兵器禁止・平和宣言都市」です。にもかかわらず市長がヒバクシャ署名をしていません。市長は直接、被爆者のみなさんとお会いになり懇談もされています。しかし、34ヒバクシャ署名はされない、なぜでしょうか、まったく解せません。これは政府が核兵器禁止条約を批准しないことによるからではありませんか。原子力空母を受け入れ、米軍と親密な関係にあり米国の世界戦略を支持しているからではありませんか。ご説明をお願いいたします。核兵器禁止条約に批准はしないけれど、締約国会議にオブザーバー参加すると表明している国もあります。我が国は唯一の戦争被爆国として、本来ならば核兵器廃絶の牽引車として世界でふるまうべき立場だと思います。そして、こと核兵器廃絶については世界中で各都市の首長が独自の声を上げているのも事実です。

35国がどうだ、米軍がどうだ、ではなく、本市として主体的にこの問題を捉え行動に移す時だと思います。市長のご決断を期待します。いかがでしょうか、答弁を求めます。

 次に佐島漁港芦名地区の芦名5号防波堤の有償譲渡に関連して伺います。

 有償譲渡先の当該事業者は消波ブロックの移設、鋼管杭の杭打ち、浮桟橋の設置等の違法行為を行ってきた経緯があり、私たちが承知している過怠金発生のケースは少なくとも5件ありますが、36これらはすべて決着がついているのでしょうか。そして、都市整備常任委員会における「希望意見」である「法令等に基づく適切な自然保護及び漁業環境の保全等が図られるよう、徹底した管理監督に努めることを要望する」という付言は実行されているのでしょうか、併せて市長に答弁を求めます。

 また、「希望意見」の中に「今回の有償譲渡は、当該事業者に対する行き過ぎた配慮が招いた結果ではないかとの誤解を市民に与えかねないと危惧するもの」とあるように私たちは37結果的に一企業に便宜供与となったことは否めないのではないかと思いますが、市長のご認識はいかがでしょうか、伺います。

 そして、そもそも芦名5号防波堤は整備費の総額が1億6858万円余であり、多額の県支出金や国庫支出金も入っています。9月定例議会の討論の際にも申し上げましたが、芦名5号防波堤が設置された後に漁協が水域占用許可を得て漁礁兼消波堤を設置し、漁港の静穏度が保たれ、結果5号防波堤は必要がないということになりました。この一連の時間とお金の流れと市の動き、漁協の動きを考えると、本市は佐島漁港芦名地区をいったいどうしたいと思っているのか、漁港全体に対する管理やビジョンが見えてきません。

38見通しの甘さ、行き当たりばったりの感が否めません。防波堤の有償譲渡で一件落着ということではなく、今後の漁港整備における教訓とすべく市長には捉えていただきたいと思いますが、ご所見を伺います。

 最後に美術館が市長部局へ移管される運びとなったことに関連して伺います。

市長が推し進める文化スポーツエンターテイメント観光の1つのパーツとして美術

館がはめ込まれていくことはどうしても否めない感があります。現在、公立美術館

に「民営化」への圧力が高まり入館者数が「成果」とみなされ、マスコミと共催して

数十万人を動員するブロックバスター展と呼ばれるもので集客競争に奔走する状

況も生まれているそうです。かつて吉田前市長が「美術館改革」を標榜して美術展

示をご都合主義的に拡大解釈しL’Arc-en-Ciel 展を行いました。その際に横須

賀美術館建設を決定した澤田元市長は「美術館は美術作品を展示・解説し、見る人

に知識と感動、心の安らぎ、癒しをもたらし、豊かな感性の涵養(かんよう)に資す

る施設。」「聴覚に訴える音楽は美術に入らない。本質論や定義を置き去りにする

と軸がぶれ、支離滅裂になる」と痛烈に批判をされました。市長部局に移管される

にあたって、私たちも美術館を「イベント小屋」のようなものにはしないでいただき

たいと申し上げておきます。

 施政方針の中で市長は民間事業者とのコラボレーション、著名な民間美術館との連携、大河ドラマとの関連、能の上演などの新たなチャレンジということもおっしゃっていました。このような集客事業は美術館でなければならないのでしょうか。公立美術館は遠くから来る観客だけでなく、むしろ文化を育む活動の主体である市民、近隣の市外住民と向き合うことを一番に考えるべきではないでしょうか。

39体験学習などを行うワークショップや教育普及事業なども公立美術館の重要な役割です。教育委員会から市長部局へ移管されたことによって、おろそかにされることがあってはならないと思います。数点にわたり率直に懸念を表明しました。市長のお考えはいかがでしょうか。お聞かせください。

 これで1問目を終わります。

2問目は一問一答で行います。


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