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2021年12月定例議会に出された議案の賛否の理由です。

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12月14日の本会議で、日本共産党を代表して、大村洋子議員が賛成討論と反対討論を合わせて行いました。

 

・・・・まず、賛成討論【反対はしないが、言っておきたいことがある】の部分です・・・

はじめに議案150号、151号市立2病院の指定管理者の指定について賛成の立場で討論いたします。両議案は、来年4月1日から10年間、うわまち病院と市民病院を現在の指定管理者に引き続き管理させるというものです。市民病院は一年前に呼吸器内科の常勤医師の確保が困難であることが発覚し、その状態が未だに改善されていません。このことは外部委員を含む審査委員会においても指摘されています。うわまち病院は先日 システム障害が発生し、検査、診察、会計に支障が生じ多くの患者さんに迷惑がかかりました。これらの事案に共通しているのは、ともに情報は患者さんからのものであり、現場をあずかっている指定管理者である地域医療振興協会は本市に報告していないということです。

私は12月定例議会前に行われた指定管理受託のためのプレゼンテーションを傍聴しました。多くのリアルな写真、表やグラフを拝見し地域医療振興協会が本市の2病院の運営主体として、新型コロナウイルスとのたたかいの最前線で市民のいのちと健康を守るために尽力されてきたということを実感しました。医療現場のみなさんは自らとご家族を顧みず、必死にコロナ対策に打ち込んでこられたということには感謝と敬意の念しかありません。そして、今後数年間のうちにうわまち病院は久里浜への移設を準備し完遂する必要があります。ですから、今後10年の指定管理期間はコロナの終息を目指しながら、新病院への移行という特別に大事な期間ということができます。

繰り返しになりますが、私たちが最も懸念材料としている点は、冒頭述べたような市と指定管理者との情報の共有、連絡体制、とりわけトラブルがあった際の迅速な報告と対応が担保されていないのではないかということです。さらに詰めていえば、指定管理者側の管理運営体制を市はチェックを行う体制を持っているのかということです。

私たちは市立2病院が市民にとってさらに安心して頼れる身近な病院となってほしいと願っています。そのために、今後も耳の痛いことを言わせていただくことを申し添えて、市立2病院の2議案に対し賛成の態度表明といたします。

 

・・・次に、反対討論【明確に反対の立場で指摘する】の部分です・・・

 はじめに猿島公園関連の2議案についてです。139号は入園料の値上げ、158号は指定管理者の指定についてです。猿島公園については、コロナ以前に有名キャラクターとのコラボ企画が功を奏して来園者が22万人余となりました。来園者の増加はすなわち維持管理費、整備改修費の増大を意味します。猿島基金は昨年3月には1億2,000万円余ありましたが、トイレの増設工事に4,000万円余を充てていることから、このままでは通常の管理経費充当とも相まって、心細い状況になっていくことが予想され、今回の提案はそういったことを背景に持っていると思われます。今回、市民の小中学生は100円から130円へ15歳以上は200円から250円へ、市外から訪れた小中学生は250円に15歳以上は500円にという料金値上げが提案されました。私たちは入園料金を徴収するようになった際に少なくともこども、高齢者、障がい者は無料にするべきと討論をした経緯があり、その考えに今も変わりはありません。今定例会の一般質問でも申しましたが、日本遺産構成文化財である猿島は平和教育を第一義に考えることが重要です。イベントで市外からの来園者が増え維持管理費が増えるので、その分は市内のこどもたちからの入園料値上げで賄うというのは本末転倒です。市民が気軽に訪れることができる猿島であってほしいと思います。

議案第168号長井海の手公園基盤施設整備工事請負契約の締結については「Park‐PFI」事業には慎重になるべきとの立場から認めることは出来ないため反対します。

次に議案第153号です。私達は6月定例議会でも討論で述べましたが、田浦青少年自然の家が来年度末で廃止されることについて、①子どもたちが活動する場は安全が確保された環境であること②県立観音崎青少年の村が廃止され、県立三浦ふれあいの村が民間運営になり、行政として三浦半島の自然のなかでの仲間作りの場がなくなること③緑地環境の保全教育を推進する役割がこの10年間で大きく低下する。これら3つを理由に反対した経緯があります。従って、田浦青少年自然の家廃止を前提としている内容である議案第153号を認めることはできません。

 次に議案第165号 仮称中央こども園の改修工事請負契約の変更契約についてです。繰り返し述べてきたように私達は、中央こども園開設により地域に根付いていた身近な保育園を廃止する方向性には反対です。今回の議案は、躯体の寸法と位置が当初の想定と異なるため増額の設計変更により1105万円余の補正を行うというものです。本市初のリノベーションによってコスト低減も実現させようと衆知を集めて計画してきたにもかかわらず、まるで中央子ども園は、計画どおりに進むことが困難であると暗示しているかのような事態となりました。おおもとについて認めていませんので、本議案についても賛成できません。

 次に議案第135号コミュニティセンター条例中改正についてです。この議案の中の賛成できない部分は長浦コミュニティセンター集会室兼体育室をエアコン設置に伴い使用料を600円から900円に値上げするという点です。料金値上げもさることながら、私たちはそもそもコミセンの使用料徴収、受益者負担という考え方を認めていません。

次に、議案第142号・財産の売払いについてです。

佐島漁港芦名地区にある芦名5号防波堤を9月定例議会補正予算で計上したとおり、民間事業者に売り払おうとするものです。

この案件に関連しては、不可思議な点が多いため注視、調査をし9月定例議会においても様々な角度から、問題点を指摘しました。違法状態を長きにわたって続けた信義則にもとる相手方に売り払うという行為、この議案が可決されるのであれば、今後の市の売却の在り方に悪しき前例となり、横須賀市の汚点となることを申し述べておきたいと思います。加えて防波堤を手に入れる民間業者の今後の振る舞いは想像に難くありませんし、私たちは到底みとめることはできません。

134号と132号は美術館の教育委員会から市長部局への移管という内容で関連していますので、併せて述べます。

少し遡って経緯を振り返りたいと思います。美術館の移管については、前市長の時にも浮上し、社会教育委員会議では白熱した議論が行われましたが、当時は根拠法もなく、L’Arc〜en〜Ciel の企画展が大変な不評であったことも記憶に新しい時期であり、美術館のあり方という点から合意形成には至らず、結果見送りとなりました。私は当時の社会教育委員会議の一員でありましたのでよく覚えています。

しかし、2019年6月、第9次地方分権一括法が公布・施行されたことにより、法的根拠をもって進められる道が開かれました。市長は「社会教育施設は、一義的には教育委員会が所管するものの、人の一生に関わる全ての場面、すなわち行政においては、市の様々な施策と絡めながら、また、時には官民の垣根を越えて、企業の取組と連動させたりしながら、市民の皆さんの人生に寄り添い、学習機会を提供していくことがむしろ自然ではないかと強く感じている」とおっしゃっています。この発言には自らの文化スポーツエンターテイメント観光に美術館を強く結びつけ企業とタイアップして安上がりに管理し、稼げる自治体を目指すというビジョンが色濃く見えます。そして、ゆくゆく、美術館は指定管理者の管理運営とし、美術館から博物館、そして図書館と本市のもつ社会教育施設全体へ波及させていこうというお考えも透けて見えます。

 私は今年1月、10月の総合教育会議、月例の教育委員会定例会、11月の美術館で行われた運営評価委員会を傍聴し、お二人の美術館学芸員さんとも直接懇談をさせていただきました。これらの中で、さまざまなご意見を直接耳にしました。ある方は美術館がこれまで、学校と連携して行ってきた「児童生徒造形作品展」を大切にしてほしい、ある方は町おこし、観光だけではなく、本来の教育的観点が必要、ある方はボランティア、市民協働、一緒に運営していくという観点が必要、また、ある方は「美術館は心の福祉だ」とおっしゃっていました。

執行部側からは、「法の改正により、美術館はこれまで通り社会教育機関としての位置付けを外さないまま市長部局に移管できるようになり、移管することによるデメリットはない」との表明もありましたが、はたしてそうでしょうか。

美術館のもつ資料の収集及び調査研究に関するという事務、これは近視眼的な対応ではなく、後世へと残していく原則的で、ある意味地味な作業ではありますが、文化財保護と同じく教育委員会所管の強みであると思います。

そして、なぜ、社会教育施設が教育委員会所管であるのかというそもそも論を紐解けば、方向性、管理運営や存続の有無等核心部分を行政の長が一手に握るということをあえて避けてきたという歴史があると思います。掌握する権限をこれまでどおり教育委員会に分散させておくということは、総合教育会議の中で共有事項となった「社会教育の政治的中立性、継続性、安定性の確保や、学校教育との連携」をしっかり担保するうえでもとても重要なことなのです。効率の良い、より稼げる美術館にすることは、完全な社会教育施設からの逸脱であり、私たちは認めることはできません。

最後に議案第169号一般会計補正予算として、YRPに進出する企業へ、企業等立地奨励金を約2億円交付するという案件についてです。前述、指摘したように今定例議会には猿島公園入園料の値上げ、コミセン使用料の値上げ等市民への負担の議案が市長から提出されました。他方で企業には2億円の奨励金の交付です。市民に値上げを強いておきながら、体力のある企業には立地奨励金とはどういうことでしょうか。市民に納得が得られるでしょうか。私たちは到底認めることはできません。

以上で日本共産党の討論といたします。