日本共産党横須賀市議団

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よこすかから平和を発信 原子力空母NO!
議会での発言
2020年3月19日

マイナンバーカード事業・コミセン有料化・基地への姿勢や、気候危機などへの取組に対して、意見を表明しました

3月定例議会最終日の3月18日、来年度予算に関する採決が行われました。

日本共産党は、井坂直議員が代表して反対討論を行ったうえで採決に臨み、38議案には賛成、11議案には反対しました。

以下、反対討論を掲載します。

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会派を代表して、市長提案の38議案のうち、11議案に反対の立場で討論いたします。

初めに議案第11号一般会計予算についてです。

今回の予算案には、いわゆるマイナンバーカード事業に一般財源、約1000万円が計上されています。国が進めるマイナンバー制度にもかかわらず自治体負担が求められること自体に納得できません。横須賀市のマイナンバーカード交付率は1月末時点で約18%ですが、国から提出を求められ昨年策定した横須賀市の交付円滑化計画では、1年後の2021年3月にはマイナンバーカード交付率は約47%と、到底、達成不可能な想定目標を掲げさせられています。利便性の低さや個人情報漏洩の懸念などにより普及が進まない地方自治体の現状を把握せず、一方的に進めさせる国のやり方を認めるわけにはいきません。反対理由の二つ目として、今回コミュニティセンターの使用料見込みが示されています。現金の収受から管理などの公金の取り扱い及びチェック体制、それに伴う現場職員の対応やセキュリティ対策など、業務効率化が求められる時代に対して新たな業務を作り出し結果的に、利用者に対するきめ細かいサービスの提供が可能であるか大いに疑問が残ります。

 

地域コミュニティの拠点でありおよそ131万人が利用したコミュニティセンターの有料化は市民活動の低下・減少につながり、地域で構築してきた支えあいに影響が生じるのではないでしょうか。これまで築き上げてきたそれぞれの地域の関係性をより強くするためにも、現状通りの無料化を継続すべきです。

 

三つ目の理由として市長の基地への姿勢です。私たちは代表質問で、安保60年の節目と合わせて市長の御認識と対置する形で日米安保条約の第5条、6条を引き、米国は日本を守っているのではなく米国の世界戦略上の観点から日本国内に米軍基地を置いている、それこそが存在の根拠であるという立ち位置で質問を行いました。横須賀は戦前、戦中、戦後を通じて、海軍工廠、海軍、海上自衛隊、そして外国の軍隊は進駐軍から駐留軍へ、今は米海軍基地として、市民の雇用、本市の経済とも深く結びつき、地域、学校においても人的交流がありその交流は根強く計り知れないものとなった経緯があります。基地をどう捉えるか、基地とは拒絶するのか、折り合いをつけていくか、歴代市長のスタンスが問われる問題でもあります。

上地市長は「横須賀には、陸海空の自衛隊、防衛大学、そして米海軍基地が所在し、日本ひいてはアジア太平洋地域全体の安全保障にとって、どれだけ重要な街であるか」とおっしゃり前述した首長としての責務へとつなげています。しかし、日米安保条約や、日米地位協定を市民生活からの視点で見た場合、それは専管事項と棚上げできる問題でしょうか。今回の代表質問では、そもそもの安全保障とは何かと、熟考する時代であることを示唆しましたが、基地機能強化等により私たち一人ひとりの暮らしや生活が脅かされている現状に対して、警鐘を強く鳴らす必要があることを訴えます。

また、自衛隊への名簿提出問題についても触れておかなければなりません。今回の代表質問ではさらに、市長のスタンスがはっきりしたと感じました。確かに地方公共団体は自衛隊の募集事務を行っています。議論となった自衛隊法120条で言うところの「報告又は資料の提出」とは、これまで行ってきたポスター掲示、懸垂幕設置の遂行に関しての報告やその関連の資料提出を求めることができると解釈するのが妥当ではないでしょうか。

市長は本来任務である住民の個人情報保護を第一に考え行動するべきであり、120条の解釈は曲解と言わざるを得ず、とうてい認めるわけにはいきません。

市長の姿勢について加えて申し上げたい点は、気候変動についてのご認識です。パリ協定が1月からスタートし、脱炭素社会を目指す動きは全国で表れてきています。代表質でも申し上げましたが、エコミルの稼働や久里浜の石炭火力発電所建設が進み稼働されれば、Co2排出は増え本市の温暖化対策に大きな影響が及ぼされることになります。2020年代、これからの10年の取組が重要であることを進言しておきます。

次にデジタル・ガバメントの推進について意見を述べておきます。市長は施政方針の中で市の組織の一つとして新たにデジタル・ガバメント推進室の設置を明らかにされました。技術革新によって人間の手を離れ、ICTがそれに取って代わる本格的な時代となりました。AI、IoT、RPAはじめ教育の場では「GIGAスクール構想」とますますその守備範囲を広げています。私たちが懸念する一つはシステムの立ち上げと更新、保守管理に莫大な税金を費やす必要があること、そしてそれらに市役所自身はほとんど関わらず、外部の業者に委ねる形となり、いざ、不具合が生じた際の対応が迅速に適切にできるのかということです。莫大な予算計上の上に成り立つこのシステムは財政的に市政を圧迫することもさることながら、集められた膨大な情報を管理できるのかという問題もあります。

二つ目の懸念は人と人のつながりの希薄化、人類とAIの主客の逆転についてです。利潤追求に、まい進する企業論理とは違う、行政業務への本格的AI導入はさらに市役所として主体性が求められるはずです。市長は施政方針の中で「機械でできる作業はRPAなどに置き換え、不安を抱えたり、負担を強いられたりしている市民の相談にのり、共に考える市役所を目指してまいります。」とも仰いました。私たちも市役所の本来任務が充実するためにこそAIは慎重に導入されるべきであるとの立場に立ち、今後注視してまいります。

最後の反対理由として、私たちは、長井海の手公園がより魅力ある公園として活用されていくために、土地の拡幅を含む意欲的な取り組みがなされようとしていることは願うものです。しかし、その手法として、一部に対してではあるものの≪Park-PFIや指定管理者制度等を積極的に導入する≫ことに、市民要望がしっかりと反映されるのか、事故が発生した時の責任はしっかり取れるのか、など心配するものです。20年もの長きに渡る間、選定された事業者が、公園、すなわちその名のごとく、公の園だということを常に念頭に置きながら運営されるよう切に望みながら、反対いたします。

議案第25号,42号についても、Park-PFI事業者選定に向けてのものであり、反対いたします。

次に議案第12号国民健康保険費予算についてです。

代表質問において、私は来年度から国が「保険者努力支援制度」で法定外繰入を行う市町村に対してあからさまにペナルティーを課そうとしていることに触れ、本市はそれに屈することなく、必要とあれば法定外繰入を行い、保険料の値上げを抑える方策を取ってほしい旨質問をしました。繰り返し述べてきたように、国民健康保険料は高すぎます。保険料が暮らしを強く圧迫し、払いきれない人が出てくる仕組みを助長しています。私たちは「子どもの均等割減免」についても提案し全国の市町村は何とか住民の暮らしを守るために自分たちができることを工夫しながら保険料の軽減策を模索していることを紹介しました。低所得層の方、中所得層の方々も高い保険料を払い続けることにもう限界を感じておられます。保険料の滞納者は短期証、資格証となり医療受診がしにくくなっています。今回、新型コロナウイルスの診療にあたって厚生労働省は特例として資格証の対象者に対しても窓口負担を3割にする措置を講じました。短期証を取得するために国保窓口に交渉に来ることで感染拡大を懸念しての特別措置です。このように、ひとたび国民に何かあった際には、国は国民のいのちと健康を守るために措置を講じるということです。これが国民皆保険制度の神髄であり、憲法第25条の生存権であります。市長も答弁の際に何度かおっしゃいましたが、国民健康保険制度は基本的にナショナルミニマムであり国家が国民に対して最低限度の生活を保障するということです。私たちは10割負担の資格証発行を止めることを訴え、子育て世帯は当然ながら、すべての国保世帯へ納付可能な保険料とするよう求めて反対とします。

次に議案第14号介護保険費予算と議案第17号後期高齢者医療費予算についてです。

私たちは日常的な市民からの相談事の中で、高齢者の方々から切実な医療の問題、介護の問題を伺っています。政府は昨年、全世代型社会保障会議で、高齢者の年金、医療、介護の給付を減らしていくとしました。例えば、75歳以上の後期高齢者医療の一部負担金を原則1割から2割に、さらに3割負担とする対象者も増やそうとしています。介護保険制度に至ってはケアプランの作成に自己負担を導入し、利用料2割から3割負担の対象も増やそうとしています。

これでは高齢者は年金を減らされた上に、医療機関では窓口支払いが増え、介護は自己負担でプランを立ててもらうしかなく、その上、利用料金も増額、いったいどうやって日常生活を維持していけばよいのでしょう。市の担当課は国の制度変更に翻弄されながらも、市民のために粛々と事務を行っているのは承知していますが、国の社会保障切り捨ては目に余るものがあり、国への抗議の意味を込めて反対とします。

次に議案第26号職員定数条例中改正についてです。

これまでも職員の働き方については議論を交わしてきましたが、公務員のマンパワーが特に災害時・非常時において重要な役割を果たしていることは明らかです。

今回の改正案で、安定的な公共サービスの提供が行えるのか、実際の業務量に見合った定数であるか、災害時や不測の事態に迅速かつ適切な対応が可能なのか、懸念が払しょくできません。

一方で、昨今の公務労働を取り巻く環境は厳しさを増しています。

夏の猛暑による熱中症、秋の台風被害、そして通常業務に加え新型コロナウイルスへの対応に力を注ぐ職員のみなさんの働き方と健康管理を改めて再考していただくためにも、反対といたします。

次に議案第27号横須賀中央エリア再生促進条例中改正についてです。私たちはまちの活性化は当然促進すべきものと考えますが、条例制定時から申しあげているとおり一部の企業に特別に固定資産税や都市計画税を減税することに賛同はできません。よって今回の議案についても反対いたします。

次に議案第28号勤労福祉会館条例中改正についてですが、補正予算における反対討論でも述べました通り、(仮称)中央こども園を職員厚生会館のリノベーションにより建設することを起因として厚生会館機能を勤労福祉会館へ移動させることで生じる条例改正です。そもそも私たちは公立保育園再編実地計画に基づく集約統合の見直しを求める立場であり、認めるわけにはいきません。

次に議案第43号都市公園条例中改正についてです。

これには、西浦賀の燈明(とうみょう)堂緑地に有料駐車場を設置しようとする案件が含まれております。

私たちは公共施設の利用に際し、受益者負担だとして、市民への負担を課すことに、これまでも反対してきました。よって、今回も反対いたします。

議案第45号は、建物の解体などに発生するアスベストからの周辺への健康被害を未然に防ぎたいとの思いで制定された条例を、解体などを始めることを周知するチラシ配布の範囲が過大ではないか、という観点から緩和しようとするものです。しかし、周りの人たちが、知らされなかったことによって、見えないアスベストを吸ってしまい発病に至ってしまう深刻さを考えるとき、あらかじめ周知する範囲をせばめてしまうことの弊害は、配布の負担とは比べようもない重いものです。よって、このような緩和は認められず、反対であることを申し述べて、日本共産党市議団の討論とさせていただきます。


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