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使われたが最後、破滅の道へと突き進まざるを得ない道具で威嚇しあうことに、どんな道理があるというのでしょうか?と訴えながら、請願第3・4号の賛成討論を行いました。

日本共産党市議団(発言者は大村洋子議員)は、請願第3号、第4号への賛成討論(以下、全文掲載)をした上で、賛成の起立をしました。

採決の結果は、賛成少数(賛成議員は私たち3人と木下義裕・藤野英明・小室卓重議員の計6人。反対議員は33人)で不採択となりました。

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請願第3号核兵器禁止条約の署名及び批准を求める意見書の提出について 

請願第4号新設の平和モニュメントに「核兵器廃絶・平和都市宣言」を明記し広く市民へ周知することについて

 これら二つの請願について賛成の立場で討論をいたします。

 

はじめに、請願第3号であります。

賛成討論を展開するにあたり、我が団の代表質問における質疑を少し振り返りたいと思います。

今回私たちは米国のNCND政策、これは核の存在を否定も肯定もしないという詭弁的政策ですが、これに触れながら米国の核体制の見直しであるNPRについて地元首長として外務省に確認するべきではないかと質問をしました。

市長の答弁は「米国のNPR核体制の見直しについてなぜ、この場で議論しなければならないのか全く理解できない。一首長として発言する立場にない」というものでした。

 

実はこの市長の答弁こそ、核兵器の問題を我が事として考えないわかりやすい例だと思います。

核兵器の問題は国家と国家の問題で高度に政治的な案件だから、一首長が、一議員が、一市民が論じることではない、このような考え方は私たちは根本的に間違っていると思います。

なぜならば、核兵器の問題は幸福に暮らし続けたいという人類共通の願いと相反するもの、さらに言えば人類の存亡に直結する問題だからであります。

 

米国のNCND政策に主体的に取り組んでいる自治体があります。

兵庫県神戸市です。

外国の艦船に核兵器を搭載していないことを証明する「非核証明書」の提出を義務づけています。

自治体が持つ港湾管理権を行使した「非核神戸方式」の土台は非核三原則です。

 

持たず、つくらず、持ち込ませず。

原爆投下によってこの世の地獄を目の当たりにした人々の想像を絶する苦しみ、悲しみの上に日本国民は国是を守ってきました。

 抑止力は必要とおっしゃるかたがいます。

しかし、使われたが最後、破滅の道へと突き進まざるを得ない道具で威嚇しあうことに、どんな道理があるというのでしょうか。

果てしない軍拡と危ういバランスの上に成り立つ平和とはなんでしょうか。

これが若者やこどもたちに胸のはれる態度と言えるでしょうか。

 

請願の意見陳述をされた西浦賀の後藤葉子さんはヒロシマで原爆を体験したヒバクシャであります。

5歳の時の被爆体験を赤裸々に語っていらっしゃいました。

市長が以前にお会いになったヒバクシャのお一人です。

私たちは思考停止に陥ることなく、もっとヒバクシャの声に耳を傾けヒバクシャの思いに寄り添うことが必要ではないでしょうか。

 

 核兵器の問題を他人事にするのを止めませんか。

横須賀市は核兵器廃絶・平和都市宣言を行っています。

このまちの市議会議員であるみなさまに御賛同を心から呼びかけます。

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次に請願第4号新設の平和モニュメントに「核兵器廃絶・平和都市宣言」を明記し広く市民へ周知することについてであります。

思い起こせば、平和モニュメントの解体・撤去は昨年9月の定例議会にいきなり提案され、新たなものをコンペによって選ぶ運びとなり、12月定例議会に結果が報告されました。

私たちは一般質問でも都市整備常任委員会でもあまりに拙速なやり方であることを指摘しました。

とりわけ、コンペに出されたデザイン設計施行業務仕様書にはテーマは「平和」、そして、既設モニュメント建設の趣旨を踏襲し、人々が平和への思いを感じられるデザインとするとうたわれています。

そして、この趣旨よく伝わるように資料として1989年5月23日に行われた「核兵器廃絶・平和都市宣言」が付けられていました。にもかかわらず、手を挙げた4事業者から提案されたデザインはどれも「既設モニュメント建設の趣旨を踏襲」するものはありませんでした。

これではデザイン設計施行業務仕様書違反ではないでしょうか。

「なぜ、これで、提案が通ったのか全く理解できない」と言わざるを得ません。

12月定例議会の一般質問で私が「新しいモニュメントでも核兵器廃絶を高らかにうたうべきではないか」と申し上げると市長は「私は唯物論者ではないから、言葉で書かなくてもイメージで、ぜひそうしたいというイメージは持っていて、多分その願いは一緒ですが、それを言葉で書くのか、書かないのかというのは別で、そういう思いでプロポーザルをしてくれという話をしていますので、多分それは一致するものだと思っています。」と答弁されました。

しかし、市長、私たちははっきり申し上げますが、人間には言葉があって、その言葉で話したり、書き残したりしながら大切なことを後世へと伝えていくと思うのです。

思いを込めておつくりになった芸術家最上壽之氏の「核兵器廃絶・平和都市」の文字の入ったステンレス板を金属くずと化してよいのでしょうか。

横須賀市議会の先達が行った「核兵器廃絶に関する決議」とそれを受けて当時の市長が行われた「核兵器廃絶・平和都市宣言」を矮小化させて良いのでしょうか。

こつこつと積み上げてきた核兵器廃絶の到達点を切り崩してよいのでしょうか。

今回の請願には1207筆の署名が付けられています。1月から署名は始められたとのことです。

短期間にこれだけ多くの署名が寄せられたことを思えば、市は本来、被ばく者をはじめ市民の皆さんのご意見に真摯に耳を傾けるべきでした。

ですから、請願者がおっしゃっている新たなモニュメントにも「核兵器廃絶」と「平和都市」の文字を刻むこと、市民への広い周知、これらは至極当然であります。

 

イギリスの哲学者にして活動家バートランド・ラッセル卿とアメリカの物理学者アルベルト・アインシュタイン博士は1955年パグウォッシュ会議において核兵器が人類の存続を脅かしていることに警鐘を鳴らしました。

それから65年。今を生きる私たちはこの知の巨人たちに顔向けができるでしょうか。

 

地球に核兵器が一つ残らずなくなるまで、あらゆる手を尽くし働きかけてゆくことを誓って日本共産党市議団の請願第3号、第4号への賛成討論といたします。