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横須賀の生徒・中学生にとっての望ましい完全給食を真剣に考えるにあたっての私たちの思い

2017年7月13日

教育委員会委員長 荒川 由美子様
教育長 青木 克明様
市長 上地 克明様

 

日本共産党市議会議員団
団長 大村 洋子
ねぎしかずこ
井坂 直

この度、教育委員会事務局から実施方式としてセンター方式(センターを1か所整備)という案が出されました。私たちはこの提案に驚き、なぜこのような案に至ったのか強い疑念が拭えない思いです。
昨年の総合教育会議の検討結果では、「望ましい昼食のあり方」として1、生徒が適切な栄養を摂取できる 2、昼食を「生きた教材」として活用し、学校における食育を推進できる 3、生徒が楽しく食事をすることができるという、どれもこれも生徒のために、中学生を中心にというコンセプトがしっかりと謳われていました。私たちは、このような横須賀市における完全給食への姿勢を心から歓迎し、より良いものになることを大いに期待しました。

しかし、教育委員会事務局が案を導くために「重視して総合的に検討した観点」には、どこにも生徒・中学生が感じられませんし、「長期的な観点からのメリット」や「財政面での負担軽減」「統一的な管理・運営」などといった実務的、技術論的な観点ばかりが第一義に上げられています。
教育委員会事務局の提案は、当初の目標である「望ましい昼食のあり方」の方式として検討されたとは思えません。今一度「望ましい昼食のあり方」に立ち戻って、再考することを私たちは求めます。

この間、教育委員会定例会、連絡協議会、推進本部、専門部会、議会における特別委員会とさまざまな立場の人々によって論議が重層的に行われてきました。立場や部署によって考え方が異なり、いろいろなご意見が縦横に出され、完全給食の全体像が深められたと思います。しかし、煎じ詰めるとこれらの会議は、各方式のメリット、デメリットを論じるもので方式を方向付けたり決定するものではなく、言わば意見を出すだけに終始する会議でした。そして、最終的にこれら会議で出された意見を集約して、方式の案をまとめたのは教育委員会事務局でした。今回提案されたセンター方式(センター1カ所整備)は言わば「たたき台」ではありますが、どのような経過をたどり結論に至ったのかその合意形成のプロセスが不透明です。しかも前述した案を導くために「重視して総合的に検討した観点」(物差しと言ってよいと思いますが)はどのようにして導き出された観点なのかこれについても残念ながら不透明です。

また、特別委員会の中でも質問をしましたが、なぜ、連絡協議会はセンター方式(センター1カ所で整備)を報告する会議を開催しないのでしょうか。「もう、ご意見は今までに伺っている」との答弁でしたが、そうではなくて、報告をしっかり行い、その報告に対するご意見を聴取するべきだと思います。

校長会等学校現場の職員の方々のご意見はさまざまな場面で聴取してきたと思いますし、保護者のみなさんのご意見も聞かれたことと思います。その中には対立しているように思える主張もあったと思います。だからこそ合意形成を図るプロセスが大事になるのではないでしょうか。その努力がなされたのでしょうか。
丁寧さに欠ける今回の提案は、もし、時間がないからという理由であるならば、先送りにしてでも踏むべきプロセスを着実に行うべきと思います。

さらに言えば、多くの市民との対話を数年間にも渡って粘り強く行いながら、たくさんの署名も託されてきた市民運動の方々の、あるべき完全給食へのひたむきな思い、願いを、誠実に受け止めることが大切ではないでしょうか。
私たちも多くの市民から横須賀市の完全給食についてご意見を伺ってきました。ほとんどの方が「小学校と同じような給食を中学校にもつくってほしい」これが圧倒的な市民の共通する願いです。

また、私たちがそうであったように、多くの市民がセンター方式(センター1カ所整備)という提案に戸惑うと思いますし、到底喜ばれるとは思えません。せっかく作るのですから、生徒・中学生に最も良いものを贈りたいではありませんか。困難や負担など伴うことは、当初からわかっていたことだと思います。それでも本市は中学校完全給食に踏み出したのです。知恵と工夫を凝らし、将来に渡って悔いのない中学校完全給食を今、考えることが必要だと思います。
今一度、横須賀の生徒・中学生にとっての望ましい完全給食とは何だったのか、再考していただきたく、私たちの思いを伝えることにいたします。