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2009年第1回定例会「市民病院の指定管理者制度提案に対する井坂議員の緊急質疑」

市民病院の管理運営を民間まかせでいいのか。身分にかかわる問題なのに職員との合意なしに条例提案。

市議会定例会の初日は、市長の施政方針と議案提案のみというのが通常ですが、今回は市民病院を民間に任せる指定管理者制度の条例案が市職員との合意のない異例なものであったため、井坂議員が緊急に質疑を行いました。

市民病院

井坂議員が質疑で主張した要点

(1)市職員との合意が大前提であること。
(2)市民病院の経営は、市が運営を放棄しなければならないほど切迫しているとは、全国的なデータからも言えないこと。
(3)病院財政で資金不足が生じていないこと。
(4)議会の議決なしで診療科の削減ができるようにしたこと。
(5)「赤字」解消には、医療制度改悪に歯止めをかけ、政策転換が重要であり、わずかだが国もその方向で見直しを始めていること。

市長の資格が問われる大問題

公務員の身分がなくなる問題を含んでいるのに大筋の合意もなく、強引にすすめることは問題の解決を難しくするだけです。強行した市長の資格が問われます。

国のいいなりでは、 市民の命と健康は守れない

今、全国の公立病院の7割が赤字です。これは、国の医療費の削減と医師不足が主な原因です。そのような中、国は公立病院改革ガイドラインを作成し、各自治体に更なる医療費の削減や公立病院運営の民間への移管・廃止・ネットワーク化も視野に入れた対応を迫っています。

市民病院をいったん民間に渡してしまえば、再び直営で運営することは極めて困難です。横浜の救急医療センターでは、問題を起こした団体に再び病院運営をお願いしなければならない状態になり、病院に指定管理者制度を導入すること自体に問題があると指摘されている状況です。

このような国の医療制度改悪に対し、地域医療を守る観点から国に改善を求めることが、自治体として求められているのではないでしょうか。

医療環境特別委員会の最終報告「市民病院の地域医療に対する責任を放棄すべきでないと主張」

ねぎしかずこ議員は「中間報告」の時にも「指定管理者制度への移行」に反対する意見を述べ
ましたが、今回の「最終報告」に対しても「医療費削減を主眼とする国の医療政策の転換が何
より求められるところであるが、本市も地域医療に責任をもつという役割を放棄しない立場に
たつことを強く要望する」と意見を述べました。

4月の臨時市議会で指定管理者を指定する条例が強行

条例案は職員との誠実な話し合いによる合意のもとでの提案とは感じられず、議案提案にいたる経緯も市の対応が不十分です。市長は3月の議会で誠実に話し合うと表明し、約束したばかりなのに守られていません。

また、市民本位の市政という点で、市民に広く投げかけ、大いに議論をしてもらうということが必要と思いますが、全く不十分です。

民生常任委員会でねぎしかずこ議員は市民的論議を求めて、指定管理者を指定する議案に反対しましたが、本会議では圧倒的多数の議員の賛成で条例は成立してしまいました。

市民の意見も聞かずなぜ急ぐのか?急浮上した市民病院の民営化問題

07 年 4月 「経営健全化計画」実施計画(アクションプラン)
08年10月 医療環境問題特別委員会が指定管理者にという中間報告
08年10月 市立病院運営委員会も指定管理者制度を導入すべきと提言
09 年 2月 市民病院を指定管理者にする条例提案
09 年 4月 地域医療振興協会を指定管理者に指定する条例案提案